(株)わざわざ B Corp認証を取得しました
株式会社わざわざ(所在地:長野県東御市、2009年創業、代表取締役 平田はる香)は、小売業を主体とした事業を行う会社です。「パンと日用品の店 わざわざ」、喫茶+本+ギャラリーを併設する店舗「問tou(とう)」、良いものをさっと買えるローカライズされたコンビニ「わざマート」、コワーキングと体験型施設「よき生活研究所」の4店舗を運営し、ECサイトを2つ運営しております。
2023年6月21日、アメリカの企業認証である、B Corpに認定されましたので、お知らせいたします。B Corp認証は、Patagoniaやallbirdsといった企業が取得している、世界91カ国7,066社が加盟しているアメリカの企業認証です。日本ではダノンジャパンをはじめ29社が取得しており、わざわざは日本で26社目の認証取得となりました。(2023/7/19現在)
B Corpとは
B Corpとは「企業を認証する制度」です。米国ペンシルバニア州を本拠とする非営利団体「B Lab」による民間の認証制度で、2006年の開始から国際的に広がりつつあります。
B Corpの“B”が意味するのは、”Benefit”のB。これは日本語に訳すと「利益」という言葉が一般的ですが、ここでは「公益」すなわち「社会全体にとっての利益」という意味合いが強くなります。つまりB Corpは、単独の利益だけでなく、社会全体に利する公益を重視する企業に与えられる認証ということです。
現代の企業に広く浸透している「株主至上主義」、つまり企業は株主のものであり、株主の利益を最大化するために経営されるべきであるという考え方では、必然的に、利益にならないものから目を背けるようになります。それこそが公益でした。人権や自然環境、有限資源よりも、自らの利益を優先した結果、劣悪な環境下での低賃金労働や、環境破壊や地球温暖化を顧みない資源搾取が行なわれました。現在の世界が抱える大きな問題には、こうした企業姿勢の影響を受けたものが多くあります。
なぜ取得したか
わざわざでは「事業を行うにあたり利益は必要であるが、それを目的化しない」ということを長く考えてきました。
わざわざを代表するオリジナル商品として、靴下工場に余った糸を材料に作っている「残糸靴下」や「残糸ザンシンバッグ」があります。これらは工場から相談を受けた悩みを解決しながら、作り手・売り手として必要な利益を出すことができ、買い手であるお客様にとっても購買行動を通してゴミの削減に貢献できる製品です。
わざわざは営利組織であるため、ものを売って利益を出すことは、会社存続を考える上でも絶対的に必要なことです。しかし、そのためにすべきこととすべきでないことがあります。工場でオリジナル商品を作ることと引き換えに、余った材料を増やして工場や関わる人々を困らせたくはありません。作る人、売る人、買う人。三方にとって良いものづくりでなければなりません。
これまでは自分たちの考え方で良いと思うことを行ってきましたが、B Corpにはそれを客観的な尺度で測り、より新たな広い視点を与えてくれる可能性を感じ、わざわざはB Corp認証取得しました。
これからの日本に必要な認証
世界に広がる問題は、もはや政府やNPOだけでは解決できません。企業がシェアホルダー(株主)だけでなくステークホルダー(広い意味で会社に関係する人々)に目を向け、「公益」を掲げる必要があるのではないかと、わざわざは考えます。人口減少・少子化問題が顕在化している日本においても、このような「公益」を重視する認証を持った企業が増えて、力を合わせより強固なコミュニティを築き、不平等をなくし、自然環境を健全な方向に導いていけるのではないか?それがいま、私たちに求められている持続可能性なのではないか、と考えます。一社でも多くの企業に共鳴いただき、ともに歩んでいければと思います。
取得するまでの道のり
わざわざがB Corp知るきっかけとなったのは長野県上田市にあるバリューブックス。「問tou」で販売している古本を選書・納品していただいている企業です。
バリューブックスでB Corpを日本に普及する活動をされている取締役の鳥居希さんは、わざわざ代表平田とも親交が深く、『B Corpハンドブック よいビジネスの計測・実践・改善』監訳をされたり、今回わざわざがB Corp認証を取得する過程においても力を貸していただきました。
わざわざは、2021年7月からB Corp認証を取得するために、BIA(B Impact Assessment)にチャレンジしました。初回に獲得した点数は53点でした。B Corp認証申請の基準となる80点まで不足しています。そこから、社内の取り組みを客観的に整理し、点数を重ねて、80点をこえたところで、申請しました。
現在世界中から多くの企業がB Corp認証を取得するための申請をしているため、わざわざが申請してから半年後にようやく次のステージに進み、申請から1年後の2022年9月に事務局であるB-labとテレビ面接を実施。その後再び点数が基準の80点を下回ったため、さらに追加の質問に答えたり、答えるために社内整備を行ったり資料を用意し、同年12月に2回目のテレビ面接を実施しました。
その後、回答した質問に対する証憑の提出や、別の質問に回答することによって点数を重ね、最終的に2023年4月に80.4点をこえ、アセスメントクリアの連絡をB-labからいただきました。署名や登録料のお支払いに時間を要し、6月21日にようやくB Corpに認定されました。
わざわざがチャレンジを開始してから、認証されるまで約2年半かかりました。ここまで審査に時間がかかったのは業種が「小売業」で店舗やオンライン、オリジナル商品の開発など複合的に事業を運営していることが挙げられると思います。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社わざわざ
広報担当:尾崎
メールアドレス:info@waza2.com
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