B Corpとは
B Corpとは「企業を認証する制度」です。米国ペンシルバニア州を本拠とする非営利団体「B Lab」による民間の認証制度で、2006年の開始から国際的に広がりつつあります。
B Corpの“B”が意味するのは、”Benefit”のB。これは日本語に訳すと「利益」という言葉が一般的ですが、ここでは「公益」すなわち「社会全体にとっての利益」という意味合いが強くなります。つまりB Corpは、単独の利益だけでなく、社会全体に利する公益を重視する企業に与えられる認証ということです。
現代の企業に広く浸透している「株主至上主義」、つまり企業は株主のものであり、株主の利益を最大化するために経営されるべきであるという考え方では、必然的に、利益にならないものから目を背けるようになります。それこそが公益でした。人権や自然環境、有限資源よりも、自らの利益を優先した結果、劣悪な環境下での低賃金労働や、環境破壊や地球温暖化を顧みない資源搾取が行なわれました。現在の世界が抱える大きな問題には、こうした企業姿勢の影響を受けたものが多くあります。
わざわざも取得しました
B Corp認証は、Patagoniaやallbirdsといった企業をはじめ、世界91カ国7,066社が加盟しています。日本ではダノンジャパンをはじめ29社が取得しており、わざわざは2023年6月21日に認定されました。日本で26社目の認証取得となりました。(2023/7/19現在)
わざわざでは「事業を行うにあたり利益は必要であるが、それを目的化しない」ということを長く考えてきました。
わざわざを代表するオリジナル商品として、靴下工場に余った糸を材料に作っている「残糸靴下」や「残糸ザンシンバッグ」があります。これらは工場から相談を受けた悩みを解決しながら、作り手・売り手として必要な利益を出すことができ、買い手であるお客様にとっても購買行動を通してゴミの削減に貢献できる製品です。
わざわざは営利組織であるため、ものを売って利益を出すことは、会社存続を考える上でも絶対的に必要なことです。しかし、そのためにすべきこととすべきでないことがあります。工場でオリジナル商品を作ることと引き換えに、余った材料を増やして工場や関わる人々を困らせたくはありません。作る人、売る人、買う人。三方にとって良いものづくりでなければなりません。
これまでは自分たちの考え方で良いと思うことを行ってきましたが、B Corpにはそれを客観的な尺度で測り、より新たな広い視点を与えてくれる可能性を感じ、わざわざはB Corp認証取得しました。
B Corp認証企業の製品も取り扱っています
わざわざで取り扱っているアイテムの中にも、B Corp認証を受けたメーカーの製品がございます。2024年2月時点ではすべて海外メーカーです。
例えばBAREBONES。キャンプ・アウトドア向けキッチン用品およびガーデニング用品を展開する、2012年に米国ユタ州で創業したメーカーです。創業者のロバート・ワークマン氏は、コンゴでNPO活動をしていたという経歴を持つ社会起業家。同氏が立ち上げたBAREBONESの根底には「人道支援」があります。
地元ユタ州においては、休耕田を利用した農業・食の指導といった形で地域社会に貢献するほか、アフリカでは農家の方への指導・支援を。ネパールでは震災を機に仮設住宅となるシェルターテントの提供といった取り組みを積極的に行っています。
2012年にオーストラリア・シドニー東部で創業したエコウェアブランド・BoodyもB Corp認証企業です。
農薬や化学肥料なしで育つオーガニックバンブーを素材にした製品づくりに加えて、製造時に出る生地の廃棄量を最小限に抑えることや、梱包資材にプラスチック素材を使わないといった様々な環境への取り組みを続けていくことを掲げています。
水筒など長らく定番商品として取り扱っているklean kanteen。プラスチックに関する健康や環境問題が広く認知されていなかった当時から、環境保全と消費者の安心安全に対する使命感を持って活動を続けている家族経営の会社です。
山のように捨てられる使い捨て製品をなくすために、生涯使えて多用途で、手頃な価格の製品を設計することに尽力しています。また、単に製品を作るだけでなく世界をより良い方向に変えることを使命とし、様々な団体と提携し支援活動を行っています。