MUYA
自分に嘘のないようにと、服づくりする。
和歌山県白浜町、海と山に囲まれた自然ゆたかな町にある小さな古いビルで、喫茶店や衣服の販売、宿泊施設を兼ねた複合施設を夫婦ふたりと数名のスタッフで運営するMUYA(むや)。
2014年に実家の倉庫で自身の苗字をブランド名に掲げ、自分に嘘のないようにとシャツ1型からの服づくりがはじまりました。
MUYAが服づくりにおいて大切にしていることは「何にも属さない水のようなもの。着る人のスタイルで変化し姿や表情を変えるもの」をコンセプトに、簡素で簡潔で平凡であること。
服をつくるうえで、素材、縫製、着心地、流行などの言葉が多く出てきますが、どれひとつこだわることなく。シルエットに関しても、ひとりひとりに合わせて完璧に表現することはできないので、これがいいというより、これぐらいでいい、といった感じのほうがしっくりくるといいます。
ユニセックスであり、匿名性があり、ブランド名がわからないもの。
服をデザインするというよりは、素材をみて馴染むようなかたちに置き換える作業をしている気がするというMUYAの服づくり。新品が一番いい状態とは思わずに、着ることで素材がかたちがからだに馴染んでいくことで衣服が完成していく。毎日の暮らしに溶け込み、意識されないような存在でありたい。
だからこそ、メンズやレディースといったカテゴリーにとらわれずに、サイズも自分にとってちょうどいいものを選んでもらいたい。日々の過ぎていく日常を積み重ね、数字や言葉では表しきれない自分の感覚を大切にしながらものづくりされています。
- 撮影:若菜紘之
- 編集:わざわざ編集部
- 最終更新日:2025.10.04