tet.
手袋のまち、東かがわ市
写真はカシミヤ100%のtenjiku WOMEN(全長23.0cm)
瀬戸内海を臨む香川県の東かがわ市は年間を通して降水量が少なく温暖な気候に恵まれた地域。明治から130年以上続く手袋産業で栄えてきた東かがわ市では100社ほどの手袋を生産する工場が立ち並び、実に手袋の全国シェアを90%以上も誇る地域でもあります。それぞれ取り扱う素材や縫製技術など得意分野は異なりますが、共通して抱える悩みはものづくりに取り組む職人の高齢化に生産拠点の海外移転があります。そこで手袋や手袋産業の魅力を発信したく新しく「tet.(テト)」というブランドが生まれました。
手にまつわる物語を発信する tet.
出すぎない程度に少しだけ出る指先が鍵。手元は温かく、でも指先を使いたい時に活躍するquick touch WOMEN(全長23.5cm)。
繊細な手仕事が求められる手袋づくり、様々なものを生み出す「手」に着目し、「手と、」その先に広がる様々な物語を伝えていくという想いから、「tet.(テト)」というブランド名が付きました。
ガーデニング、DIY、アウトドア、引っ越し。あらゆる場面で使い勝手のよいworkers gloves。手袋をしたままタッチパネルに対応しています。
これからも刻々と変わり続ける時代の中で、東かがわ市で作られる手袋を中心としたグローブやミトンなど手にまつわるオリジナル商品を販売します。そして、素材の良さ、縫製技術の良さ、身につけた時の使い心地などそれぞれの工場が培ってきたものづくりの魅力をより自由な発想や視点をもって、「手袋産地としての東かがわ市」を捉え直し、産地のものづくりの様子を発信しています。
住職さんの駆け落ちからはじまった、手袋産業
そもそも、tet.が本社を構える東かがわ市で手袋産業が栄えてきたのでしょうか。そのきっかけはこの街に住んでいた住職さんの駆け落ちからはじまりました。明治の頃、街の娘と恋に落ちた住職さんは娘を連れて大阪に駆け落ちし生計を立てるために手袋づくりを始めます。
やがて故郷に戻ることになったのですが、その頃の東かがわ市はそれまでの地場産業であった砂糖・塩づくりが海外の輸入品におされ衰退していたところでした。街を存続させるためにも、住職さんから手袋づくりのノウハウが東かがわ市に広まっていきました。
今では東かがわ市内には、100社ほどの手袋を生産する工場が立ち並びます。それぞれ取り扱う素材や縫製技術など得意分野は異なりますが、共通して抱える悩みはものづくりに取り組む職人の高齢化に生産拠点の海外移転があります。そこで手袋や手袋産業の魅力を発信したく新しく「tet.(テト)」というブランドが生まれました。
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
- 最終更新日:2021.12.07