ムーンスター
妥協を許さない靴づくり。
150年以上貫く”精品主義”
地下足袋の誕生からゴム産業の発展により栄えた、福岡県久留米市。ムーンスターはその地で、150年以上の間、高度な製造技術をもとに靴を作り続けてきたメーカーです。
長年蓄積してきた日本人の足型データはなんと26万人以上。そこから作った木型も1.6万種類を超えます。それらを元にしてデザイン・素材・履き心地を徹底的に追求し、日本人の足に最適な靴を生み出しています。
商品企画から製造、検品に至るまで、ものづくりに一切の妥協を許さない“精品主義”がムーンスターの根幹にあります。
強靭で美しい靴を生む、ヴァルカナイズ製法
GYM CLASSIC
1960年代のトレーニングシューズを再現した6ホールのキャンバススニーカー「GYM CLASSIC」。名前の通りクラシックなデザインはムーンスターの定番アイテムです。クッション性の高いインソールを採用し、履き心地がとてもいいので、長時間の立ち仕事でも疲れにくいです。
このGYM CLASSICをはじめ、「ヴァルカナイズ製法」によって作られているのが『FINE VULCANIZED』シリーズ。19世紀から続く伝統的な製法で、ソールのゴムに硫黄を混ぜ、窯の中でゆっくり加熱・加圧することで、アッパーとソールを接着させる技術です。
異なる素材を隙間なく頑丈に接着できるこの製法により、靴底はがれの心配が少なく、また耐久性の高い靴ができます。さらには”しなやかさ”や”柔らかさ”という、耐久性とは相反するような特性も損なわずに作ることができる、非常に優れた製法なのです。
ポイントは製法にあり
全天候対応の「ALWEATHER」「ALW SIDEGOA」も、ヴァルカナイズ製法で作られるFINE VULCANIZEDシリーズのひとつ
しかし問題は、この製法には熟練の職人技術や特殊な釜設備が必要であること。大変な手間とコストがかかるため、現在日本で採用するメーカーはごくわずかになっています。
現代の大量生産方式には見合わないやり方だと言えます。しかしムーンスターでは、耐久性の高い、しなやかで美しい靴作りを第一に考え、頑なにこの製法を続けています。
専門靴を日常に810sシリーズ
厨房や病院など、様々な専門分野の現場に寄り添った実用的な靴作りを続けているムーンスター。その靴作りのノウハウを活かし、機能性はそのまま、日常に馴染むデイリーユースの靴に仕上げているのが『810s(エイトテンス)』シリーズ。
“最低限の構造で美しく使いやすい”に挙げられるようなプロダクトデザインの考え方を意識し、工業製品的な要素や価値観を含む810sのデザイン。機能性は活かしながらライフスタイルに馴染むようにバランスが整った靴になっています。
810s KITCHE:厨房や食品工場用のキッチンシューズをリデザイン。
810s MARKE:水場や土木作業現場まで幅広く使われる多用途なゴム長靴がデイリーユースに生まれ変わりました。
810s ALLPE:介護用のリハビリシーンを想定して開発されたシューズをリデザイン。
懐かしさ残るSKOOLERシリーズ
機能性やデザイン性が評価され、学校指定の靴や特殊な作業靴として長く親しまれているムーンスターの靴。そのロングセラー商品をベースに、パターンや素材を見直し、現代のライフスタイルに合わせたカジュアルシューズとして誕生したのが『SKOOLER』シリーズです。
SK SIGMA:1980年代に学生靴や作業靴として人気を呈した「ジャガーΣ(シグマ)04」のデザインはそのままにシルエットや素材、カラーリングを一新。
KIDS RAIN:子ども用長靴「ロンプ」をルーツモデルとして再構築。
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
- 最終更新日:2022.05.04