大江憲一/醤油さし
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醤油さし
大江憲一さんと言えばその代表的なプロダクトに「醤油さし」が挙げられます。1滴2滴出すこともスーッと一本筋の如く出すこともできる、自在に量の調整が可能な心地よいプロダクトです。そして驚くべきは、醤油をかけ終える際の「キレ」。口から胴を醤油がつたって垂れることがなくスッと注ぎ口の中へ吸収され、ストレスがなく使う度に本当に気持ちいい。大江さんの生み出した逸品です。
大江さんの醤油さしは、二十代前半頃に生まれます。当時は愛知県瀬戸窯行高等技術専門校修了後に、多治見市の陶磁器研究機関である、多治見市陶磁器意匠研究所にて2年間学び修了され、産地で大量生産を担う会社で住み込みで1年間働かれていました。夜であれば自分が好きな作品を作ってよい、という職場環境で、大江さんは一人で全行程を完結させながら様々な作品を作っていたと言います。会社を退職後も大江さんはアルバイトをしながら、一人で作品を作ってはそれをポートフォリオにまとめ、画廊やギャラリーに持ち込んでいました。しかし作った器などは受け取ってもらえず。その中で好評を得たのが「醤油さし」でした。
様々な作家が自分の代名詞とも言えるような皿や鉢、茶器などの作品を作る中で、醤油さしを作る作家はあまりいなかったこと。そしてその醤油さしの質の高さに加え、小さくて各場所まで運びやすいというメリットも手伝って好評を得たのでした。大江さんはそこからさらに醤油さしの製作に磨きをかけ、現在の高い精度の醤油さしにたどり着きます。その後1999年には24歳という若さで初個展を開催するほどに、実力と人気を兼ね備えた作家となっていったのです。
この卓上数センチのぷっくりとした胴体を、大江さんはろくろで形成しています。縦に入れられた鎬は、幅や深さにこだわり抜き、一体一体手作業で削られています。
3種類ございます。
縞模様の異なる白磁2種類、ブロンズ釉の計3種類がございます。お好きな色合いと縞模様をお選びください。
鎬の陰影でマットな質感にも見える白。鎬は中央部分に区切りがあり、上下にラインが伸びています。デザイン性と持ちやすさを兼ね備えた機能美が光る作品です。
胴を流れるように削られた縞と白い色合いがすっきりとした印象を与える白磁 B。
淡い艶感のある表情を生み出し、重厚感のある佇まいに仕上がっているブロンズ釉。胴を流れるように鎬が削られています。
大江さんは、ご自身の作品を、せっかく買ったからと飾っておくのではなく、日常の中で使い込んでほしいとの思いでひとつひとつ工夫を凝らし、作品を作られています。
醤油だけでなく、お酢やポン酢、サラッとした液体調味料を入れて食卓へ。永く愛用していただけるお品物です。
大江憲一(オオエ ノリカズ)
大江憲一さんは、「醤油さし」などの代表的なプロダクトをはじめ、日常に寄り添うような、普段の献立から使ってほしい美しさと使いやすさを備えたうつわを作っていらっしゃいます。作品を通して大江さんを知っていくと「仕事と遊びのバランスがとてもちょうどよい方」であることが伝わってきます。もちろん高い技術から生み出される作品が魅力的なのですが、その仕事や作品には、遊び心が内在したり、時流に合うようなちょうどいいものづくりの姿勢が表れています。大江さんのこの姿勢や考え方はわざわざの「だいたいちょうどいい」を目指す考え方ともどこか似ており、ひとつひとつのやり取りや関係性を心地よく感じながら、作品の取り扱いをさせていただいております。
大江さんの作品は、代表平田が工房にお邪魔して買付をしています。基本的に再入荷する可能性が低い作品ですので、お気に入りの器がありましたらぜひご家庭にお迎えください。
醤油さし|大江憲一
材質:陶器
サイズ:高さ約8.5cm(蓋込み) 径約4cm 重さ約90g 内容量約50ml前後
製作:大江憲一
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
- 最終更新日:2024.07.25
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