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大江憲一(陶芸)

大江憲一(陶芸)

日常に寄り添うものづくり。

大江憲一(オオエ ノリカズ)

大江憲一
(プロフィール)1975年愛知県生まれ。愛知県瀬戸窯行高等技術専門校を修了後、美濃焼の伝統を受け継いでいる多治見市の陶磁器研究機関である、多治見市陶磁器意匠研究所へ。2年間の学びを修了したのち1999年に独立し、2016年には工房を岐阜県土岐市へ移し、作陶されています。

大江憲一さんと言えばその代表的なプロダクトの1つに「醤油さし」が挙げられます。1滴2滴出すこともスーッと一本筋の如く出すこともできる、自在に量の調整が可能な心地よいプロダクトです。そして驚くべきは、醤油をかけ終える際の「キレ」。口から胴を醤油がつたって垂れることがなくスッと注ぎ口の中へ吸収され、ストレスがなく使う度に本当に気持ちいい。大江さんの生み出した逸品です。

大江さんの醤油さしは、二十代前半頃に生まれます。当時は愛知県瀬戸窯行高等技術専門校修了後に、多治見市の陶磁器研究機関である、多治見市陶磁器意匠研究所にて2年間学び修了され、産地で大量生産を担う会社で住み込みで1年間働かれていました。夜であれば自分が好きな作品を作ってよい、という職場環境で、大江さんは一人で全行程を完結させながら様々な作品を作っていたと言います。大江さんは退職後もアルバイトをしながら、一人で作品を作ってはそれをポートフォリオにまとめ、画廊やギャラリーに持ち込んでいました。しかし作った器などは受け取ってもらえず。その中で好評を得たのが「醤油さし」でした。

様々な作家が自分の代名詞とも言えるような皿や鉢、茶器などの作品を作る中で、醤油さしを作る作家はあまりいなかったこと。そしてその醤油さしの質の高さに加え、小さくて各場所まで運びやすいというメリットも手伝って好評を得たのでした。大江さんはそこからさらに醤油さしの製作に磨きをかけ、現在の高い精度の醤油さしにたどり着きます。その後1999年には24歳という若さで初個展を開催するほどに、実力と人気を兼ね備えた作家となっていったのです。

2021年8月に工房を訪ねました。

2021年8月に、大江さんの工房を訪ねました。

わざわざでの大江さんの作品の取り扱いは、2021年夏から始まりました。元々代表平田はわざわざの開業当時(2009年頃)から大江さんのことを知っていたものの、その人気ぶりもあってなかなか作品を取り扱えないだろうと販売には至りませんでした。

それでも大江さんの器が大好きな平田。個展などの混み合う環境にはなかなか行けない性格もあり購入ができませんでしたが、安曇野のギャラリー シュタイネさんを訪れた際に大江さんの器を見つけついに購入。その器は今でも平田の食卓で活躍しています。

安曇野のギャラリー シュタイネさんを訪れた際に購入した大江さんのオーバル皿。(カレーは取り扱い中のカレーの壺 レトルトカレー)

2018年頃に、これまた商品を取り扱いさせていただいているりんねしゃの大島幸枝さん(りんねしゃの取締役。2代目飯尾裕光さんのお姉さん)に紹介していただく流れで、愛知のギャラリーにて大江さんとお会いしました。

少し時間が空いて2021年、再度幸枝さんにつないでいただく形で大江さんと連絡を取り、工房にお邪魔しました。

話をお聞きする中で印象的だったのは、陶芸に携わる原点「愛知県瀬戸窯行高等技術専門校」に入学した理由が「うっかり」だったということ。飛騨であれば木工、富山であればガラス、といったように、愛知県で育った大江さんは"当然陶芸"という感覚で瀬戸の専門校にうっかり入学。元々陶芸家になりたいというわけでは特になかった、という部分に、大江さんらしさや、生業として陶芸を選んでいることへの信頼性を感じました。

大江さんを知っていくと「仕事と遊びのバランスがとてもちょうどよい方」であることも伝わってきます。もちろん高い技術から生み出される作品が魅力的なのですが、その仕事や作品には、遊び心が内在したり、時流に合うようなちょうどいいものづくりの姿勢が表れています。例えば個展を開催する際は、趣味の釣りができる環境が近くにあるかを場所選びの1つのポイントにしたり、作品にもあそびやゆらぎのような魅力を有しています。

大江さんのこの姿勢や考え方はわざわざの「だいたいちょうどいい」を目指す考え方ともどこか似ており、ひとつひとつのやり取りや関係性が心地よく感じられたのです。

大江さんの作品は、代表平田が工房にお邪魔して買付をしています。基本的に再入荷する可能性が低い作品ですので、お気に入りの器がありましたらぜひご家庭にお迎えください。

日常で使ってほしい。

写真右奥:茶壺、写真左奥:茶杯

2017年のインタビューでは、日常的に、また同世代の人にも使ってほしいと話している大江さん。

僕はアウトドアとか釣りが大好きでファッションも好きですけど、それと同じ感覚で使って欲しい。僕の家には、イケアの食器もあれば、作家のうつわもある。料理もよく作ります。そういう中で、例えば、料理が美味そうにできた時、僕がパッと手にとるのは、手作りのものだったりするんです。無意識、というか意識があるかどうかすら考えたことがないくらいそれは普通のことで。「やっぱりこっちがいいな」って自然とね。ひとつでもふたつでもいいから、同世代の食卓に手作りのものが入っていくといいなと思います。

madame FIGARO うつわディクショナリー#10より引用)

作品をせっかく買ったからと飾っておくのではなく、日常の中で使い込んでほしい。美しいプロダクトであるとともに、普段の献立で使いやすいうつわに仕上がっていますので、ぜひお手持ちのものと組み合わせながら楽しんで使ってみてください。

ゆらぎのある器も。

サラダや煮物、麺料理など、様々なお料理で使いやすい深さと直径の丸底浅鉢。

大江さんはお皿や鉢の多くを、「たたらの型押し」という作り方で作っています。たたらの型押しとは、板状にした粘土(たたら)に、型を押し当てて作る技法です。型を当てるのも仕上げるのも、全て手作業となります。

たたら技法の特徴としては、お皿の底に高台がありません。すっきりとした出で立ちのお皿です。また、皿の底まで釉薬が掛けられているのが大江さんの特徴です。

ひとつひとつ手作業で作られているそれらの器には、縁のゆらぎや器全体のバランスに個性があります。均一でないがゆえに生まれる表情の柔らかさや、お料理の盛り付けの楽しみを味わっていただければ幸いです。

  • 執筆:わざわざ編集部
  • 撮影:若菜紘之
  • 最終更新日:2022.02.01

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