高野竹工
受け継がれる素材と手しごと
高野竹工は、竹の産地として知られている京都府長岡京市に工房を構え、良質な竹林を守り育てながら竹や古材を用いた製品を作り続けている会社です。
幼少の頃から竹に親しんできたという創業者の不窮斎高野忠男氏は千利休の自然界が生む竹の美しさを茶道具に用いたその心眼に感服し、上質な茶道具を目指した製品づくりに取り組みはじめました。
その遺志と技術は現代にも受け継がれており、今日も工房では指物や漆、蒔絵などさまざまな技術をもつ職人たちが茶道具をはじめ暮らしの道具に至るまで多彩な製品を作り続けています。
自ら竹林に入り、
良質で美しい竹をつくりだす
周囲を山に囲まれる京都のまちは寒暖の差が厳しく、肉厚の良質な竹が育つといわれています。高野竹工では「伐り子」と呼ばれる竹を伐り出す職人を自社で抱え、自分たちで竹林にはいり竹の質を左右する竹林の整備と管理も手掛けています。
竹の伐採は秋から晩秋にかけてはじまります。4年から5年かけて育った青竹を地面から水分を吸い上げしなくなるこの時期に伐採し、表面の油分を火であぶったら丁寧に拭き取ります。その後、2ヶ月から3ヶ月かけて天日干しを繰り返していきます。これにより青々としていた竹も白くなってゆきます。
加工するためにはしっかりと水分を抜いて乾燥させることが肝心。天日干しを終えた後は倉庫で数年ほど寝かせてしっかり乾燥させます。そうすることで、見た目の美しさのみならず丈夫でしなやかな材料となり、ようやく工房に運ばれていきます。
高野竹工の職人たちによる多彩で繊細な手仕事がひかる京都の竹を使ったアクセサリー。
竹ならではの軽やかさとしなやかさをもちあわせた作品たちです。
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
- 最終更新日:2024.04.12