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初心に立ち返る

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パンの売上をあげるために
わざわざはパンと日用品の店。毎年6月になるとパンの売れ行きが鈍くなるという現象が必ず起きます。今年もやはりそんな傾向です。そこで店舗スタッフが協議して、社内コミュニケーションツールである、LINEで下記のようなやり取りをしました。

「わざわざのパンの売上があまり良くないので、問touで売りたい」

そこへ、代表の平田からストップが入り、毎週開催の全体ミーティングの議題になりました。

わざわざでは、毎週水曜日に全体ミーティング(※)を開催しており、出勤している社員・アルバイトは原則全員出席して、会社全体の取り組みや、店舗やオンラインについて、お客様について、様々なことを共有しています。わざわざの取り組みや考え方をより知ってもらうために、オープン社内報として、お伝えします。

  • 執筆:わざわざ編集部
  • 撮影:若菜紘之

パンの売上とお店運営の原理原則

パンの売上をあげるために

(※)全体ミーティング:わざわざで毎週行っている全スタッフ参加の会議。アイテムの取り扱い基準の話から最近あった人、読んだ本の話まで、幅広く皆の知識にしていこうという取り組みです。お店/事務所/スタジオ/リモートとスタッフのいる場所を問わずzoomで参加し、これから入社するスタッフも録画を見られる仕組みで、仕事への理解を深める一因になればという思いで続けています。

わざわざでは、店舗の基本的な運営はスタッフに任せてあり、会社から細かく指導していく方針はありません。

例えば、わざわざの姉妹店の「問tou」に今年の6月に新たにテラスを作りました。植物を植栽したガーデンテラスをスタッフが集まってDIYで作りましたが、問touには水を上げるための道具が、ジョウロ1つしかありませんでした。水やり作業の工数が膨大になってしまうことを思案したスタッフが、折りたたみ式のコンパクトなホースを購入し、水やり作業の工数を大幅に削減しました。こういった意思決定は、特に上司が介在することなく、現場のスタッフ同士の意思決定で速やかに改善されていくのが特徴です。

コンセプトが一番大事

「パンと日用品わざわざ」は日常のお店で、「問tou」は非日常のお店。

パンと日用品の店わざわざは、毎日食べても飽きないパンを、健康的な素材で焼いて、適正な価格で売るということを目指しています。取り扱っている日用品も、毎日使うものが多く、使う人にも環境にも良いものを取り揃えています。

問touは、わざわざでできなかったことを実現するために生まれました。非日常をテーマにしており、本やコーヒー、アート作品などにも触れられるように設計されています。

わざわざと同じパンを売ることは非日常というコンセプトから逸脱しており、店のポリシーが揺らいでいきます。

そういったコンセプトの小さなブレが、丁寧に何年もかけてきた世界観を壊してしまい、お客様の混乱を招くことにも繋がっていきます。売上を上げたい・パンを売りたいという気持ちを持つことは悪いことではありませんが、店が大切にしてきたものを簡単に崩してしまうことにもなりかねません。

これは大切な役割分担なのです。コンセプトやルールは会社全体として考える。そこに現場が改善計画をもっている場合は、気軽に経営陣に相談する。それができるのがわざわざという会社のよいところなのです。そして、パンの売上をあげるためには、わざわざではどのように考えるべきなのかということについて、原則論から共有されました。

そもそも論を追及する

今は夏です。夏場は、パンよりも喉越しのよい麺のようなものが食べたくなるのが人間の心理です。パン屋にとって梅雨時期から夏にかけては、例年売上が下がるシーズンであり、これはどうしようもないことです。食べたい季節になったらたくさん焼成して販売する努力をし、夏はぐっと耐えるのだと、代表平田は言います。

わざわざでは、実店舗が2店舗と主にEC業務を手掛ける人が働く倉庫事務所の3拠点があります。その3つの拠点では、複数の仕事を掛け持ちして移動しながら仕事をしている人もいます。すべての業務が開示されており、全体でのミーティングも週1回行っているため、人と仕事は自在に流れていけるしくみを構築しています。

この場合、パンの製造量を減らしたまま同じ人数で製造すると、製造原価が高くなるにもかかわらず売上の低下を招きます。これは会社にとってダメージの大きい施策です。だから、パンの製造人員を減らし、他の業務に従事することをチーム内で話し合うのはどうか?と代表の平田が提案しました。

わざわざでは、部署や役職による上下関係をもたない、ヒエラルキーがない社内構造を作ることを目指しています。誰がアルバイトで誰が正社員かということが、外部からは一見わかりません。ジョブシェアリングの概念が浸透していると言ってもよい状態です。このような場合は、パンの製造量を減らして、その分空いた時間を、他の業務に転換するという選択肢を経営陣に相談してほしいという話がありました。無理に売らなくてよいと言える風土がここにあります。

やめるという選択肢がつねにある

季節商品のいちじくのカンパーニュは、今は夏の暑い時期になり、糖度の高いパン生地の発酵をコントロールすることが難しく、最高においしい状態に焼き上げる難易度が高くなっています。無理に焼いて売上をつくろうとするぐらいなら、やめればいいと、平田は言います。

今は、夏なので、パンで売り上げを作ることが難しい。ならば、他の日用品や食品を用意したり、店に来たくなるような新しい取り組みを店舗全体で考えたらいい。繁忙期である冬に夏の売上を補填するような作戦を、今から練ることもできます。そうやって、やめる、置き換えるという選択肢を作ることを現場のスタッフが柔軟に考えることができる会社がわざわざなのです。

課題を一人やチームで抱えず、全体で考えて、最適な解を導く。売上を上げるために、特定の誰かが無理をしないで、みんなで考える風土があるということが再認識された全体ミーティングでした。

とはいえ、夏のパンは夏の味でまた格別のおいしさがあるのです。購入しやすくもなっているので、ぜひこちらでお買い求めください!!皆さんのご注文をお待ちしております!

わざわざ編集部

皆様の「よき生活」のお役に立ちたいという思いのもと、正しい情報や欲しい商品をお届けすべく、わざわざオンラインストアでの商品ページ・記事作成や運営を担当。メールマガジンや公式Instagram、Threads、X、LINEでの広報活動も行う。

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