かけたくなる眼鏡 犬飼眼鏡枠
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
目次
受注会を開催します。
「眼鏡は顔の一部です」というCMが流れていたのは1980年代(東京メガネ)ですが、本当にそうだなと思っています。わたし自身の顔は典型的な日本人の平たい顔で全体的に薄いので、眼鏡をかけないとなんとなくぼやけたような印象になってしまいます。
子どもの頃から視力が低く乱視が強かったので、ハードコンタクトレンズを医師に勧められ愛用した時期もありましたが、現在は専ら眼鏡です。眼鏡をかける理由は「見えない」という理由が主で、視力矯正のために仕方なくかけていたのですが、段々と眼鏡がかけたいものに変化してきました。前述の通り、顔に凹凸ができてしっくりくるのと、印象含めて顔の一部になってきたからだと思います。
ということで、長年眼鏡を愛用していますが、ここ4年ほどはずっと「犬飼眼鏡枠」のフレームを愛用しています。その前は鯖江の金子眼鏡のフレームを5年ほど愛用していました。一番最初に好きになったフレームはアラン・ミクリでした。だけど海外ブランドのフレームは顔に馴染まず、かっこよさから選んだとしてもしっくりこないというのが実感です。
犬飼眼鏡枠のフレームはアセテート樹脂に金属芯を挟み込んで作られています。芯貼りの特徴として樹脂の経年による歪みを軽減させることができます。愛用していて思うのは、デザインはさることながら、軽さと強さが両立していて、圧倒的にかけ心地がよいと感じています。以前愛用していたセルロイドフレームは顔に眼鏡がのっているという重量感を感じていました。犬飼さんのフレームは心地よいので、かけねばならぬものから、かけたくなる眼鏡となりました。
今回、問touで初めて犬飼眼鏡枠の受注会を行います。犬飼厚仁さんはお一人で眼鏡枠のデザイン・設計から製作まで一貫して行っています。手仕事でしかできないことと機械ですべきことをあわせたものづくりは沢山の方に支持されています。年々、犬飼さんの人気が高まっていて、今はオーダーから1年半後にお手元に届きます。忘れた頃に届く眼鏡フレームですが、届いた時の喜びはひとしおです。大切にしたいという気持ちが沸き上がってくる買い物になるでしょう。
ご予約無しでご来店いただき、実際に製品を見ていただいたり、フィッティング、ご注文いただくことも可能です。その場合、ご予約のお客様を優先させていただきますため、お待ちいただく場合、お時間が前後する場合がありますことを予めご了承ください。
犬飼厚仁さんプロフィール
1978年 長野県松本市生まれ
2001年 東京造形大学デザイン学部卒
2007年 福井県鯖江市にて
眼鏡フレームメーカー数社で8年間働く
2016年 松本市にて犬飼眼鏡枠を始める
2021年 現在同地で製作
眼鏡枠のデザイン・設計から製作までをひとりで行う。手仕事でしか出来ないこと、機械ですべきことを選択しながら、手の塩梅を生かしつつ、機能に必要な精度を出すものづくりを目指しています。
眼鏡作りを実際に見せていただきました
犬飼眼鏡枠は長野県松本市で毎週日曜日に店を開けています。そこは平日は工場でもある場所。小さなオープンファクトリーというのが大きな特徴です。実際に眼鏡作りをしている場所で、眼鏡を選ぶという体験はとても貴重で、ものが好きな人にはたまらない雰囲気です。4年前にお邪魔して購入してからは、時々ふらりとお邪魔しています。ユーザーにとって、作った方に直接調整していただくことができるのはありがたい環境です。
今回のイベントではわざわざのパンの代名詞である「みまきカンパーニュ」をモチーフとしたフレーム、その名もずばり「カンパーニュ」をイベントに合わせてリリースしていただくことになりました。その作り方を見ながら眼鏡の奥深い世界にはまります。
わざわざのカンパーニュをイメージした新作フレーム
「カンパーニュ」
わざわざのみまきカンパーニュは一つあたり成型時880gの生地量でとても大きなパンです。そこに四角のラインのクープが入っているのが特徴です。
犬飼さんはカンパーニュの丸い形と四角いクープの組み合わせを、フレームの中に再現してくれました。丸の中の四角が眼鏡枠になると、エキセントリックなイメージにもなりかねませんが、わざわざのパンは毎日食べたくなる飽きのこない食事パンです。その塩梅を十数回に渡り微調整を繰り返してデザインしていきます。
素人目にはわかりづらい調整かもしれませんが、このコンマ何ミリの世界が徐々に美しいラインを紡ぎ出していきます。
設計が終わるといよいよフレームの製造工程に入るわけですが、全部でざっくり88工程。残念ながら全てをお伝えすることはできません。
犬飼さんは福井県鯖江市で8年間、職人として3つの会社に勤めたのち、長野県松本市で「犬飼眼鏡枠」を開業しています。福井県鯖江市は国内の眼鏡シェア96%を誇る産地です。大学でデザインを学び卒業してから、一度鯖江へ修業に行き、その後会社員になってからも、手仕事で自分のデザインしたものを一貫で作れるのはやはり眼鏡だということで鯖江に戻ったそうです。
鯖江では量産と言えど手仕事の部分も非常に多く、ただ単純に量産とは言い難い工程を経て、世の中に製品が出ていきます。「手仕事の部分も多いが効率化しているのも鯖江。今自分はその3倍くらいの手がかかっている。今の機械でも治具の部分を工夫して、鯖江のそういう部分は見習いたい」と犬飼さんは言います。
犬飼さんは、ご自分で試作の作り方に近いと言います。一つ一つの工程の中でわかりにくいものもあるけれども、製品になった時にその一つ一つが宿ったことで「なにかこの辺がいいな」と思えるものになるとおっしゃいます。
やるべきことをコツコツと
機械で削った後に、キサゲという工程に入ります。セラミックのカッターで微調整しながら手で削っていきます。機械で荒く削ってから段々と細かく削っていくことで段々とラインが見えてきました。眼鏡の磨きは6段階あって、どれも大切で外せないと犬飼さんはおしゃっていました。
修業時代に色々工程を省くことも試してみたが、コツコツやることが一番の近道だった。ただし「よく作るなら」と。品質を良いままでやりたいのならば、やるべきことをコツコツやるのが一番きれい。身にしみます。
初めてのカンパーニュ!丸いパンの形に四角いクープ。オーソドックスなデザインに見えますが、かけると何とも優しい雰囲気の眼鏡になりました。欲しい。。
完成しました!
イベント当日お披露目です。
わざわざとのイベントのために生まれた新作眼鏡枠「カンパーニュ」。どうですか?丸さと四角の融合、わかりますでしょうか?わたしにはもうカンパーニュにしか見えないです。形もさることながら、ラインが本当に美しくて惚れ惚れします。
他の眼鏡達ももちろん並びます。
その種類の多さと完成度の高さで、眼鏡を選ぶ特別な楽しさを与えてくれます。犬飼さんの接客がまたとてもよいのです。自分の思い込みをすんなりと解いてくれるようなアドバイスで、思い切って新しい自分に挑戦できたり。だからまた犬飼さんで買いたいと思う人が増えるんだと思う。
イベントが楽しみです。たくさんの人が新たな自分に出会えますように。
犬飼さん、当日はお世話になります!今後ともよろしくお願いいたします。
【ご予約受付中】
犬飼眼鏡枠 受注会@問tou
わざわざ姉妹店・問tou(長野県東御市)にて、犬飼眼鏡枠の受注会を開催いたします。
当日は、様々な形、色の眼鏡枠を実際にゆっくり見ていただきながら、お気に入りのものをお探しいただけます。また、お客様の顔の輪郭などにあわせておひとりおひとりフィッティングをし、自分にあった長く寄り添う眼鏡をオーダーしていただける受注会となります。
【受注会開催要項】
日時:2021年9月23日(木)〜9月26日(日)
10時から17時まで各1時間枠でのご予約
(13時~14時は休憩となります)
場所:問tou
長野県東御市八重原1807-1
芸術むら公園内 憩いの家
注意事項:
予約受付ページでは、受注会への参加ご予約を承ります。フレームをご覧いただいたり、実際にフィッティングをする時間のご予約となります。
お支払いは当日現地で承ります。(クレジットカード使用可)
ご予約無しでご来店いただき、実際に製品を見ていただいたり、フィッティング、ご注文いただくことも可能です。ご予約無しの場合、ご予約のお客様を優先させていただきますため、お待ちいただく場合、お時間が前後する場合がありますことを予めご了承ください。(お客様同士の密度の緩和を目的に、余裕をもった空間を確保するため、よりお時間を頂戴する場合がございます。予めご了承ください。)