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とや原ファームが担う「6次産業化」

とや原ファームが担う「6次産業化」

わざわざから車で3分のところにある「とや原ファーム」。ここは、よくある鶏肉とはひと味違う、身の引き締まった食感や噛むほどににじみ出る旨みが特徴的な「信州黄金シャモ」を育てている養鶏場です。養鶏はどのように行われているのか?現地取材を試みました。

  • 執筆:わざわざ編集部
  • 撮影:若菜紘之

信州黄金シャモ

とや原ファームでは、鶏肉業界に携わって20年以上を誇る栁澤祐一(やなぎさわ ゆういち)さんのもと、信州黄金シャモの飼育から食肉への加工、さらには小売販売に至るまで、すべての工程を一手に担っています。

育てるだけではなく販売までやる。大変なことにもかかわらず、とや原ファームが全てを取り組むのには、東御市の六次産業化を期待して立ち上がった養鶏場であるという背景が関係していました。

生産・加工・販売まで、全部やります

六次産業とは

「第一次・第二次・第三次産業」はかつて学校で習った記憶があるかもしれませんが、「六次産業」といわれてピンとくる方は少ないのではないでしょうか。農林水産省によると、六次産業とは次のような取り組みを指しています。

<六次産業>
一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組です。これにより農山漁村の所得の向上や雇用の確保を目指しています。
出典:農林水産省ホームページ「農林漁業の六次産業化」より

これまでは農林漁業・製造業・小売業という住み分けで分業されていたところを、すべてかけ合わせ、生産者がこれまで外部にお願いしていたような製造や小売部分も積極的に携わっていくような形態が第六次産業です。1×2×3=6、というところから「六次産業」と名付けられました。

今、六次産業化は国をあげて取り組んでいる事業です。六次産業がもたらしている売上規模も年々ゆるやかなペースながら拡大し続けています。

その中で長野県は「信州黄金シャモ」を長野の地鶏ブランドとして推していて、六次産業としての取り組みを推進しています。現在、信州黄金シャモの認定飼育者はとや原ファームを含めた農園や農業系の高校が指定されており、県内で16団体が信州黄金シャモを育てています。とや原ファームはその中でも最大規模の生産量があるとのことでした。

鶏肉業界20年以上、
栁澤さんだからできること

現在、とや原ファームは4名体制で運営しています。農場の専属1名・解体場で3名で分担をして、信州黄金シャモの飼育から製品化までを行います。

栁澤祐一さん

ごく一般的に流通している鶏肉に「ブロイラー」という種類のものがあります。ブロイラーは短期間で育つように育種改良された食肉用の鳥です。早く出荷できる点はありがたい一方で、効率を追求するがあまりにブロイラーをぎゅうぎゅう詰めの環境で飼育するケースも出てきているのが現状です。

栁澤さんは「鳥の居心地をよくすることは農場主の当然の仕事だ」という考えの持ち主です。ブロイラーならば1農家あたり5万~10万羽を育てるところ、とや原ファームは2,000羽程度の飼育数にとどまります。

信州黄金シャモの特性上、密集しているとお互いに傷をつけてしまうことから広々としたスペースで育てる必要があることも羽数が少ない理由のひとつですが、鳥の居心地をよくしてあげることを養鶏の大前提にしている栁澤さんだからこそ、信州黄金シャモがのびのびと育つ環境につながっているのだろうと感じられました。

かつては闘鶏(とうけい:ニワトリの雄を戦わせる競技)として用いられていた軍鶏(シャモ)の血が含まれている信州黄金シャモ。気性が荒く、よく動き回ります。

とや原ファームの強みは信州黄金シャモの鮮度の良さにもみられます。

信州黄金シャモを育てている養鶏場と解体場が隣接しているので、朝のうちに鶏肉をしめたらそのまま即日出荷が可能です。出荷できない分は急速冷凍により鮮度を保つ工夫をしています。

冷凍された信州黄金シャモ。わざわざで販売中の信州黄金シャモはこのようなパックでお届けしています。

さらに、とや原ファームでは食肉加工を手作業でも行います。

規模の大きい農園は大型処理場を持っていて機械で鳥をさばいていきますが、腸を一緒に切ってしまうこともあるといいます。腸を切ると中身が出てしまうことで、菌が付着するリスクが出てきます。とや原ファームは人の目で腸を確認したうえで、その手で取り除いていけるため、衛生上も安心できれいなお肉に仕上がるのです。

生産、加工、そして販売までを全て行うからこそ、新鮮な信州黄金シャモを各地にお届けできています。とや原ファームが「六次産業」として養鶏に取り組んでいる強みが活きていました。

衛生管理にも細心の注意を払います。使用する器具や水回りなどはピカピカです。

東御市からのご縁によってとや原ファームを立ち上げた栁澤さん。冷静に、キッチリと仕事をしていく職人のような印象を持ちました。施設内の綺麗さひとつとっても、やるべきことを淡々とこなして積み上げてこられている姿勢が垣間見えます。

これからが楽しみな信州黄金シャモ

2017年に創業し、とや原ファームで信州黄金シャモを育てて数年。栁澤さんは、色々と試してみたいことがあると話してくださいました。

たとえば飼料です。現在のエサには腸管の健全性を保つための生菌剤サプリメントを添加することで腸内フローラを適正に保てるような工夫をしています。健康的な信州黄金シャモを育て、もっとおいしい食肉にするためにはまだまだ工夫の余地があるといいます。

製品化のアイデアもあります。現在はむね肉や手羽先といった精肉での販売をしていますが、栁澤さんイチオシの食べ方は「焼き鳥」です。串刺ししたもも肉を炭火で焼くとおいしいので、お客様が手軽に焼き鳥を楽しめるよう、串打ちの練習をされていると話していました。

信州黄金シャモをおいしく食べるレシピをわざわざでも研究中。後日公開しますので乞うご期待!

信州黄金シャモは全国的な知名度こそまだまだ低いながら、とや原ファームをはじめ長野県の農家さん達が様々な取り組みを通して、おいしい信州黄金シャモをお届けできるように尽力されています。今後、信州黄金シャモはどこまで良くなっていくのか。これからがますます楽しみです。

クリスマスに、
信州黄金シャモを味わってみませんか

さて、世間はすっかりクリスマスモードになりました。クリスマスといえば、やっぱりチキンが欲しいところですよね!

2021年はクリスマス当日のごちそうチキンとして、とや原ファームが育てた信州黄金シャモを味わってみませんか。わざわざのクリスマスシーズン定番商品のシュトレンと、ボリューム満点の丸鶏や骨付き肉を合わせた特別なディナーセットをご用意しました!12/3(金)17時からご予約を開始します。

丸鶏ってどうやって調理するの?と思われた方が多いのではないでしょうか。安心してください!丸鶏の中に入れるお米とごはんの味付けの調味料をセットにし、実際に調理した様子・レシピを販売ページで紹介しますので、届いたら後はページを見ながら調理するだけです。

工程もとってもシンプル。おうちにあるオーブンでお作りいただけますので、一緒に食べたい付け合わせの野菜や飲み物を用意してお待ちください。

「さすがに丸鶏は難しいな」と感じた皆様には、家庭でもより調理がしやすい骨付きもも肉のセットをご用意しております!

骨付き鶏のセットにもシュトレンが入るほか、ローストチキンの味付けにぴったりのシバタの焼肉のたれをお付けします。もも肉を2本とシュトレンハーフサイズのお手軽セットと、もも肉4本にシュトレンホールをつけたボリューミーなセットをご用意しますので、今年のクリスマスは、信州黄金シャモを存分に味わってみてください。

食べるのがとっても楽しみになる、とびきりのごちそうです。ぜひトライしてみてくださいね!

わざわざ編集部

皆様の「よき生活」のお役に立ちたいという思いのもと、正しい情報や欲しい商品をお届けすべく、わざわざオンラインストアでの商品ページ・記事作成や運営を担当。メールマガジンや公式Instagram、Threads、X、LINEでの広報活動も行う。

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