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「特別な日」と「いつもの日」のあいだ

「特別な日」と「いつもの日」のあいだ

長野県東御市にある芸術むら公園。山の上の台地に作られた広大な公園で、敷地内に温泉宿泊施設・美術館・グラウンド・キャンプ場・コテージ、そしてわざわざ姉妹店の問touほか複数の施設を備えています。

東御の観光マップに必ずと言っていいほど掲載されているこの芸術むら公園。観光地というよりむしろ近隣に住む人に長く親しまれてきた場所といえます。公園の中心にある池越しに眺める風景は本当に素晴らしいのです。そんな芸術むら公園内にある温泉宿泊施設がアートヴィレッジ 明神館です。今回は明神館の素晴らしさを語らせてください。

  • 執筆:わざわざ編集部
  • 撮影:若菜紘之
  • 編集:平田はる香

長野県東御市 明神館で過ごした1日

【文責より】
わざわざ在京スタッフのすずきです。入社から長らくリモートワークの毎日でしたが、この9月末に初出勤の機会を得て長野県東御市を訪ねました。思えば今までわざわざを訪れたことはあっても、それは長野市や上田・松本・軽井沢といった街を拠点にして東御に“寄り道”していたのでした。初めて東御で1日を過ごした人の一意見として、遠方の方はもちろん、近くにお住まいの方にも参考にしてもらえたら幸いです。

気まぐれにふらっと寄らない旅

明神館

芸術むら公園内にある温泉宿泊施設がアートヴィレッジ 明神館です。これまでわざわざでは「問touのお隣には温泉宿泊施設があります」との簡単な紹介に留まっていたのですが、今日こそは明神館の素晴らしさを語らせてください。

明神館

エントランスから見える景色。浅間山と美しい田園風景が目の前に広がっている。

例えば、こんなふうに。

訪れたのは金曜日。平日も近隣から来たであろうお客様たちで賑わっていました。というのも明神館は日帰り入浴可で、併設のダイニングでは贅沢なランチを頂くことができます。宿泊客でなくともお食事とお風呂を堪能できるのです。土曜日のお昼前には受付に列ができていました。

明神館 明神館

山の斜面に沿って建つ明神館。どこからも田園風景と浅間山の景色を眺められるよう客室は同じ方向を向いています。

明神館 明神館

気軽に1泊するなら、ツインルームはおすすめです。決して広い客室ではないですが、床から天井まである広い窓のおかげでしょうか。開放感があって最高です。窓際の椅子で持ち込んだ本とお茶を味わいました。

明神館

展望風呂付の和洋室のテラス。どの部屋からもこの素晴らしい眺望が。

明神館 明神館

展望風呂付の和洋室もやはり素敵でした。源泉そのままかけ流しの温泉をひとり占め。ここに泊まって一歩も外に出ないというのが、明神館の一番贅沢な過ごし方かもしれません。

明神館 明神館

夕食の時間まで部屋でのんびりもいいですが、露天風呂に入らずして明神館は語れません。夕食の前後、朝食前と、時間帯ごと見える景色も異なります。こちらは男湯。女湯は外から見られない程度に目隠しがあるものの、眺望は良いと聞きましたよ。

明神館

露天風呂に行く前のお風呂も好きでした。中の窓からも景色を眺められますし、夜の宿泊客だけの時間は静かで、贅沢に時間を過ごせている実感が湧きました。

明神館

朝は朝で気持ちがいい。宿泊者だけの特権です。

明神館

日暮れまでぼーっと景色を眺めます。あいにくこの日は1日中雨だったのですが、霧がかかった景色が好きになりました。四季折々をありのまま感じたくなります。

明神館

でも、晴れた日の眺めはやっぱり最高なのです。雲がない日の夜空には星がよく見えるそうです。

シンプルだからこその心地よさ

明神館

明神館で過ごしていて感じるのは、どの空間も総じてシンプルであり、だからこその心地よさ、過ごしやすさがあるということ。

「余計なものがない」という良さは、なかなか人に伝わりづらい特徴かもしれません。シンプルな照明や家具で構成された空間は過剰でなく、ひとつひとつに違和感がないのです。ここで時間を過ごすほどに、この居心地のよさ、過ごしやすさがわかってきました。

日没後の宿泊客だけの時間になると、部屋も大浴場も静かになり、景色も薄暗くぼんやりとしてきます。何もなくともそれでいい。それがいいんです。好きな過ごし方を自分で見つける楽しみがここにはあります。気の向くままに過ごすというこれ以上ない贅沢を味わいました。

何もなくてもいいと書きました。ただし、料理は別です!

山の幸から海の幸へ

明神館

季節ごと食材の「走り、旬、名残り」を感じさせる調和の取れた料理が嬉しかった。この日は東御市近辺の食材からほうれん草の林檎菊花和え、きのこ、里芋、栗をまず楽しんでから、海鮮のお造り、蒸し物、焼き物、揚げ物、甘味と10品を頂きました。

取材チーム、途中から仕事を忘れていた気がします。東御産の地ビール「オラホビール」にこの地で採れたブドウのワインもあるんですもの。話も弾みます。仕方ない。心地いい部屋も温泉からの景色もいいけれど、美味しい料理に勝る幸せはない。

明神館

先付から繊細な料理が並びます。

明神館 明神館 明神館

明神館のダイニング「憩」の料理長・原誉(はら ほまれ)さんにお話しを聞きました。調理場からお客さんの様子を直接見られないからこそ、スタッフからのちょっとした情報をもとにお客さんの姿を想像するのだそうです。年齢は?どのようなグループで?反応はどうか?一人ひとりに合わせて量を変化させたり、お好みを探りながら調理をしていくそうです。

同じメニューでも器や盛り付けを工夫することで料理が変わってくる、と。「写真だけでなく『明神館が美味しいよ』と人に伝えてもらうため、次につなげていくためには、よほど美味しいものを出さなければいけないんです」と料理長。今日仕入れてきた良い素材を、今の時代に合った形でお出しする。その奥行きが日本料理ならではの好きなところと話していました。

このコロナ禍も明神館は「おいしいものを食べたい日のちょっとした贅沢」として、お客様は足を運んでくださっているそうです。それはお客様に対して丁寧に、真摯に向き合い続けたことで、地域に受け入れられてきたからこそではないでしょうか。

明神館 明神館

日照時間の長さと水はけの良い土壌がワイン用ぶどう栽培に適しておりワイン特区となったことで、個人経営ワイナリーが点在する東御市。なかでもこの「シクロヴィンヤード」は明神館から歩ける距離にワイナリーがあります。まごうことなき地産地消。

山の上で海鮮料理を出す理由

ここで過ごした1日は「特別な日」と「いつもの日」のあいだのような感覚でした。お風呂と食事を一緒に楽しめる施設は全国のあちこちにありますが、ここには「とくべつなふつう」がありました。

シンプルな館内は確かに違和感なく馴染む雰囲気だけれど、この山の上で味わう景色や美味しい料理はとても特別なものでした。その裏側には「近隣から訪れるお客さまにも特別な場所と思ってもらいたい」という想いで続けてきた明神館の努力がありました。

明神館

最初にお聞きしたのは、明神館は2016年のリニューアルで大きく変化したということ。リニューアル前の明神館を知る支配人の熊谷さんと、リニューアルのタイミングで明神館に赴任した料理長の原さんに話を伺います。

リニューアル前後で特に変わったのは、料理への意識だといいます。当時は価格帯が今よりも低く、料理は出来合いに近いものが多かったそう。現在のランチメニューは「料理長おすすめランチ」(\2,500)ほか海鮮を中心に見た目も華やかなメニューが充実していますが、当時は丼・ラーメンといったいわゆる温泉の休憩所的な意味合いの強いものでした。

明神館

自慢の海鮮は、料理長自ら毎朝市場を訪れて仕入れたもの。

「この近辺で2000〜3000円のランチは単価は高いけど、きちんと手作りで、ちゃんとおいしいものをお出しすれば、お客様がきっとまた人を連れてきてくれるはず」と原さん。山の上にあるのに海鮮がおいしい、という評判がリニューアルから2,3年かけて徐々に広まってきたといいます。

料理の評判を聞きつけて訪れたお客様に「次は宿泊を」と思ってもらう。そんな流れも出来てきているそう。大人数での宴会向けの価格帯ではないけれど、家族や友人と特別な日を過ごすのに、特別な料理を食べたいときは明神館で。と、お祝いの席での利用も増えてきたといいます。

明神館が持つ特別さは、温泉・眺望・料理の3つだけではないのかもと感じました。今まさに地域の方々に受け入れられつつある場所に、外から来た自分が交じって過ごせるだけで特別感があります。かといって「いつもスタッフと常連さんが内輪で盛り上がっている…」といったような閉ざされた雰囲気もありません。話を聞いて、明神館の居心地の良さと特別感を感じた理由がわかった気がしました。

明神館

朝ごはんも美しい盛り付けに歓声がわきました。

ここだけの特別を味わわせてもらう旅

明神館 明神館

有名観光地を巡る旅に、まだ知られていない絶景を見つける旅。ひとつの土地に長く滞在する、日常の延長にある旅。実に様々な旅の形がありますが、明神館での滞在はそのどれとも異なる旅だったように思います。

次に旅する日にはぜひ「特別な日」と「いつもの日」のあいだを目的地にしてみてください。この地域にとって特別な魅力をお裾分けしてもらえたような感覚が明神館にはありました。

■アートヴィレッジ明神館
〒389-0406
長野県東御市八重原1806-1
tel:0268-67-0001
予約・問い合わせはウェブサイトより
https://www.myojinkan.com/

チェックイン 15:00〜18:00
チェックアウト 〜10:00
客室数:12
明神館 明神館

わざわざ編集部

皆様の「よき生活」のお役に立ちたいという思いのもと、正しい情報や欲しい商品をお届けすべく、わざわざオンラインストアでの商品ページ・記事作成や運営を担当。メールマガジンや公式Instagram、Threads、X、LINEでの広報活動も行う。

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