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革靴を履いた人

革靴を履いた人

わざわざ代表の平田はる香は無類の革靴好きです。この時代でこんなにも革靴を普段から愛用している人をあまり見たことがありません。普段も出張も靴の殆どが革靴です。革靴を履くとどんなことが起こるのかのお話です。

  • 執筆:平田はる香
  • 撮影:若菜紘之

手入れの仕方、磨き方。

革靴が好きだ。一年のうちの4/5以上の日、革靴を履いている。今はスニーカーを履いている人が多いから、珍しい人なのかもしれない。昔からシンプルな服装が好きだったので、靴や小物できちんとしたものをセレクトしておきたいという気持ちが強かった。革靴を履くだけで、自分がきちんとしている気がして背筋が伸びる。

ジーンズにTシャツだったとしても靴がきれいな人に好感を持ち、電車に乗っている人をみてはピカピカの革靴を履いている人に憧れた。敢えて革靴を選択する人には、おそらくその人なりの理由がある。その理由を持っている感じが好きで、どんな靴を履いているかは今でも気になってしまう。

最初はデザイナーの靴を買ってみたり、ブランドものを買ってみたりしたこともあったが、一番大切なことは足の形に靴が合っているか?で、その次に歩きやすさ、次にデザイン。少し幅広な足の形をしているわたしには、パンプスの形状には合うものが少ない。女性らしいデザインを素敵だなと思った時もあったけど、今は足の健康を優先する。

NAOTやトートーニーに出会ってからはますます革靴しか履かなくなってしまった。最初は固かった革が段々と柔らかくなり足に馴染むまでは、意識してそればかりを履きならす。その後は、育った革靴の中から今日のファッションに合う靴を選んで出かけていく。家を出る時に靴を選ぶのが好きなので、玄関には主力選手の靴を出しっぱなしにしてしまっている。

これだけ好きだと言いながらも、靴を磨く頻度が人より多いとか、いつもピカピカにしているということではない。年に数回まとめて一気に革靴を磨く。あとは時々汚れが気になる時に古布で拭いてブラシをかけるだけ。

革は雨に弱いと言われているけど、雨の日には革靴を敢えて選んでしまう。布製のスニーカーを履いていくよりずっと自分が快適だからだ。後で拭いて陰干ししておけばどうってことない。「〜しなければならない」はない。自分の好きなようにものと付き合えばいいのだ。

タピールの靴磨きグッズを使う。まず荒いブラシで靴の汚れをざっくり落として、その後に古布で水拭き。

そしてワックスを布に取り、たっぷり塗って、擦り込んで磨いていく。

タピールのワックスは乳液タイプと固形タイプの2種類。ミツロウ、オレンジなど天然素材でできていてどちらも良い香り。

最後に目の細かい仕上げブラシでさらに磨き上げる。仕上げブラシはかけなくてもいいけれど、かけると驚くほど艶が増す。皺が寄って布ではクリームが入りにくい場所もツヤツヤに。仕上げのブラシをかけるたびに輝きが増していくのが感激する。

NAOT IRISサボ

家から出られない今だからこそ、家の中で靴磨きするのもいいかもしれません。お気に入りの一足で出かけられる日を楽しみにしつつ、やってみます。

(編註:2021年1月の執筆当時はコロナ禍で思うように外出できない時流でした。時は経ち、ずいぶんお出かけしやすくなりました。それでも雨や雪の日はなかなか出かけられないことと思います。そんな日は淡々と靴を磨いて、次に出かける日を待ちわびたいですね。)

平田はる香

2009年長野県東御市の山の上にパンと日用品の店「わざわざ」を一人で開業。2017年に株式会社わざわざ設立。2019年東御市内に喫茶/ギャラリー/本屋「問tou」を出店。2023年度に3,4店舗目となるコンビニ型店舗「わざマート」、体験型施設「よき生活研究所」を同市内に出店。また初の著作「山のパン屋に人が集まるわけ」が2023年にサイボウズ式ブックスより出版された。趣味はボルダリングとよき生活。

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