本物だけがここにある。
- 執筆:わざわざ編集部
- 撮影:若菜紘之
- 編集:平田はる香
classicoとわざわざ
白シャツ。それは服の中でも特に汎用性が高く、白シャツさえ着ていれば大抵の問題(おしゃれ・清潔・好印象)はクリアできてしまう。とにかくすごい服なのだ。
加えて、「白シャツはこれ」と決めて、ダメになったら買うを永遠に繰り返すことができればもう2度とシャツを選ばなくて良いのではないか? と、永遠に着続けられる白シャツ(通称、“永遠白シャツ”。)をわざわざ代表平田が探していた2010年頃、出会ったのがclassicoだった。メールオーダーをきっかけにゆるりと付き合いが始まった。
東京・谷中にあるセレクトショップclassico(クラシコ)。オーナーの高橋隆さんが自ら使い心地を試して並べた品々は、信頼できるものばかり。とりわけ衣服は流行に左右されない普遍的なデザインのものを主にセレクトしていて、classicoで買い足していった服はどれも飽きることなく長く着られるのが嬉しい。
それから代表平田がclassicoを訪ねたり、高橋さんがわざわざを訪ねてくださったりと交流を重ね、わざわざではclassicoのシャツの取り扱いが始まった。針原修さんの作品・流木の鳥を取り扱い始める際には、工房を高橋さんの紹介でご案内いただいた。
10年来の付き合いとなったclassicoとわざわざだが、今日は改めて取材として話を伺う。(もちろん、classicoでお買い物する時間も確保しながら!)
ストーリーと、縁。
classicoには新しいものも古くからあるものも置かれている。ものが生まれた年代を問わず、次世代に語り継いでいくべき物語がセレクトされているのだ。高橋さんは並ぶ商品ひとつひとつの背景を滔々と、静かな語り口ながら熱量を持って語ってくれる。
シンプルなシャツ1着にも、誰がいつどこで、どのような環境で生まれ、どのような技術で作り続け、なぜ存在しているのかの物語がある。加えて、高橋さんがその商品と出会って付き合いを重ねた経緯も詳細に。classicoのブログにも事細かく物語が書き綴られていて、話を読み聞きするうちに物語を追体験しているような気分になる。
物語があるということはつまり、ある日突然生まれたようなインスタントなものではないということだ。classicoを通じて高橋さんは「人々に愛され育まれてきたものを次世代に伝えていく」そんな役割を担いたいと話す。
長年ファッション・アパレル業界で経験を培ってきた高橋さんだからこそ、シルエット・素材・ディテールと服の様々な要素を厳しい目で見ていることだろう。だが何よりも大切にしているのは、縁だという。classicoで扱うものは縁を感じるものだけ。どんなに売れそうだと感じても、縁がなく、製作における背景に違和感を抱くものは取り扱いを諦めるという。
どんな商品にも背景には必ず人がいる。作る人、売る人、買う人の間に信頼できる物語があれば、それはお互いにとって信頼の証になる。作り手から買い手に渡るまでが一続きであるとわかって、安心できるのだ。
店と人との信頼関係
「本物だけを扱いたい。『ここにあるのは本物だけ』と思ってclassicoに来てくださっているお客様も多いと思う」という言葉が印象に残った。
どこまで本物で、どこから偽物かの線引きは難しい。ものだけを見ればし必ずしも品質が劣っているとも限らないし、完全なるコピーでなければ偽物と決めつけることもできないと高橋さんも言っていた。
けれど決定的に差があるとすれば、本物には物語がある。高橋さんは、シェットランド諸島で作られるシェットランドニットを例に出して言う。「現地に住む人が、自分たちの文化を受け継ぎながら作っている服。それだけは絶対に本物といえる」。
産地でしか作れない価値がある。コピーして作ることも不可能ではないだろうが、偽物の場合、売れなければきっと作るのをやめてしまうだろうと。
同じ品質の物をより安く買える。聞こえは良いが、もし全員がそれだけを基準に物を選んでしまえば、コピーだけが残り、古くからある産地の工場はなくなってしまう。一度なくなってしまえば、土地に根付いたものづくりはできなくなる。やがて流行が去って売れなくなれば、コピーすら消えてしまう。これは未来の話ではなく、そうした現象が今まさに起きている。
本物だけを扱う。その覚悟を裏付けるのは、今ある良いものを次世代に残したい、そのために工場を守りたいという思い。高橋さんは「微力でも、伝えていくことでものづくりが途絶えず続いていくなら」と話す。微力ながら、わざわざもその一端を担えたらと思う。
普通を極めた普通のシャツ
学生時代からシャツを愛してやまなかった高橋さん。だがクラシカルな着丈の長いシャツはなかなか自身の身長に合わず、しっくり来るものを長年探し続けてきたそう。
h.b b.dシャツは、高橋さんの積年の思いを結集させて作ったシャツだ。ちょうどよく感じる着丈、幅、襟の高さと、高橋さんが好きな様々なシャツの要素を組み合わせて作られていて、出来上がったものは普通の中の普通を極めたシャツとなった。
日本人の体型に合わせた、程よくゆったり、程よく短めなシルエット。シンプルだけど、どこかお洒落で格好よく見えるのは、細部にまでこだわり抜かれたデザインだからこそ。脇や袖の内側の縫い代は伏せられた仕立てで、肌に触れる部分にも優しい着心地の良さ。信頼のおける東東京の小さなシャツ工場にお願いし、一枚一枚丁寧に作られている。
年齢問わず、ユニセックスで愛用可。着心地が良くて合わせやすいから、気が付くと毎日手に取ってしまうのだ。
わざわざでは2021年秋より、classicoが長年取り扱ってきたブランドのうち、平田とともにセレクトした3メーカーのアイテムが登場します。これにより衣服のラインナップがどかんと増えることになります。
さらに姉妹店・問touには、高橋さんがおすすめするブランドの衣類を紹介するコーナー「クラシコセレクト」を新設します。両店のコラボによるこれからの取り組みにどうぞご期待ください!
classicoのh.bシャツのサイズ感はこんな感じ。
classicoのh.bシャツは、基本的にシルエットやサイズ感が変わりません。h.b b.dシャツはボタンダウンタイプ、h.bシャツはスタンドカラータイプ。襟が2タイプある以外は共通の型で作られており、一度自分にぴったりのサイズが見つかればサイズ選びに悩まずに済みます。
※2023年以降に公開したシャツは、これまでのモデルより袖丈が短い仕様となっています(サイズ00/0は約1cm、サイズ1/2/3は約1.5cm短くなっています)。サイズの詳細は、各商品のページをご覧ください。
また、ページ下部では様々なシャツを着てみています。サイズ感の参考にご覧ください。
classico「h.bシャツ」の寸法
シャツの素材によって、同じサイズでも着用感が異なります。また、生地や洗い・乾燥方法によって、寸法は若干変わる場合がございます。目安としてご覧ください。
【サイズ 00】(目安:レディースS~M)
胸幅 約47cm
裾幅 約47cm
肩幅 約40cm
身丈 約55cm
後身丈 約66cm
袖丈 約55cm
【サイズ 0】(目安:レディースM~L)
胸幅 約49cm
裾幅 約49cm
肩幅 約42cm
前身丈 約58cm
後身丈 約69cm
袖丈 約57cm
【サイズ 1】(目安:メンズ Sサイズ)
胸幅 約51cm
裾幅 約51cm
肩幅 約44cm
前身丈 約60cm
後身丈 約71cm
袖丈 約59cm
【サイズ 2】(目安:メンズMサイズ)
胸幅 約54cm
裾幅 約54cm
肩幅 約46cm
前身丈 約62cm
後身丈 約73cm
袖丈 約61cm
【サイズ 3】(目安:メンズLサイズ)
胸幅 約57cm
裾幅 約57cm
肩幅 約48cm
身丈 約64cm
後身丈 約75cm
袖丈 約63cm