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シュトレンのクリエイティブの話

シュトレンのクリエイティブの話

2009年にわざわざを個人事業主として開業して17年が過ぎようとしている。何も続けることができなかった私が楽しんで続けていられる仕事に出会えたことに大きな幸せを感じるし、お客様含め全方位に感謝しかないです。ありがとうございます。

その中でも続いていること。それがクリスマスのシュトレンの販売。卵・バター・砂糖を使っていないというシュトレンとは呼べないかもしれない代物は、私のような過度に甘いものが苦手な人々やアレルギーの人、はたまた、単純にこの味がおいしいということで支持を受け、なんと今年で17年間作り続ける冬の風物詩となった。今年は約8000本を製造するという計画を立て進めており、今週予約販売を開始したところだ。(皆様ぜひご予約をお待ちしております)

今日はそのシュトレンのこだわりではなく、シュトレンのクリエイティブについての話をしたい。

  • 執筆:平田はる香
  • 撮影:平田はる香/若菜紘之

私はパンと日用品の店の主人で、パン屋とも 呼べないパン屋であり、クリエイティブに精通しているでもなく、経営者としてのポジションも取りきれていない者なので、クリエイティブについて言及するのは憚られるのだが、シュトレンやパンというものをどう見せて買ってもらうかについてはずっと考えて実践してきた。

とりわけ、シュトレンは冬のエネルギーというエネルギーを全集中して出荷する一大行事なわけで、撮影にも並々ならぬ熱意を燃やしてきた。普段の撮影はスタッフに任せっきりだが、シュトレンだけはしっかり事前にMTGを重ねてどう魅せるか?を話し合いテーマを決めて撮影に挑んでいる。

と色々とこだわりを書こうとしたけど、やめます笑。これは2015年からのメインビジュアルを集めたものなんですが、雰囲気よくありませんか?私はとても好きです。最初の頃は自分でスタイリングして自分で撮影していました。途中からカメラマンの若菜さんが入社して、撮影クオリティがグイグイ上がっていきました。それに伴って、こういうビジュアルを作りたいのだけどと、相談しながら撮れるようになったのが大きいです。

2015年、2016年あたりは海外のインスタグラマーに憧れていて、パンフォーカスで全部に焦点が合っているようなパキッとした写真がやりたかったです。テーブルコーディネイトという軸は外さず、それっぽく撮りたかったんだなと。

2017年はもっと世界観重視でよいのかもしれないと思い始めた頃。

2019年はシュトレンのレシピブックを作ったので、これでもかというくらい作り込んでものすごい枚数を撮りました。

翌年はやりきった感があり、もう今年は同じテイストでは撮れないよねと、店でシュトレンを食べているシーン撮影を。

2021年は改めてシンプルにシュトレンを撮影してみようと新しいクリスマス感を。

22年は真逆に振ってド派手にしたかったので、シュトレンの中の原材料のジューシー感を出すためにフレッシュなフルーツで囲んで撮りました。これは特にお気に入りです。

2023年はしっかりクリスマスを踏襲しながらわざわざらしくしたいと思い、クールな花束でビジュアルを作りました。これも好き。

2024年はドライフラワーをガラスの天板の下にしいて去年のがそのまま枯れたのはどうだろうということで、宇宙感がでましたね。

そして、今年は静物画をイメージして。

こうやって毎年去年の私たちに負けないと頑張った作品を並べると、それはそれは壮観でした。自分たちのやってきたことが間違いなく真摯だったし、クオリティもどこにも負けない作品に近づいていることがよくわかり、こうやって時々、時代の変遷をまとめるような仕事もしていきたいと感じたのです。

ということで、今年のシュトレンも相変わらずおいしく焼けてます!皆様のご予約をお待ちしております。

平田はる香

2009年長野県東御市の山の上にパンと日用品の店「わざわざ」を一人で開業。2017年に株式会社わざわざ設立。2019年東御市内に喫茶/ギャラリー/本屋「問tou」を出店。2023年度に3,4店舗目となるコンビニ型店舗「わざマート」、体験型施設「よき生活研究所」を同市内に出店。また初の著作「山のパン屋に人が集まるわけ」が2023年にサイボウズ式ブックスより出版された。趣味はボルダリングとよき生活。

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