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「好き」がベースにある、嘘のない仕事。

「好き」がベースにある、嘘のない仕事。

「わざわざで働くって、どんな感じなんだろう?」

このインタビュー連載は、「わざわざで働く」とはどんなことなのかをリアルに知っていただくために始まりました。
今わざわざで働きながらキャリアを形成しているスタッフに、実際に働く中でどう感じてきたか、わざわざで見つけた「働く」とはどんなことか、などを聞いていきます。

1人目は「パンと日用品の店 わざわざ」店長の岡田さん(入社5年目)。以前は大阪の介護デイサービスで機能訓練指導員として働いており、わざわざにはまったくの異業種からの転職でした。

岡田さんは今、わざわざでどんな働き方をしているのでしょうか。

  • 執筆:土門蘭
  • 撮影:若菜紘之
 プロフィール
岡田皐(おかだ・さつき)
1992年大阪生まれの30歳。大阪のデイサービスで機能訓練指導員として3年勤務したのち、26歳でわざわざに入社。おみせ部に配属されて以降、接客や販売に従事。現在は「パンと日用品の店 わざわざ」の店長を務めている。

「ここなら働けそうだな」と思った瞬間

ーまずは、今わざわざでどんなお仕事をしているか教えてください。

「パンと日用品の店 わざわざ」の店長をやっています。販売、接客、レジ業務、あとは季節や新商品に合わせて陳列を変えたり、商品の在庫管理や発注業務をしています。

 

ーわざわざに入る前は、どんな仕事をしていたんですか?

大阪のデイサービスで3年間、機能訓練指導員として働いていました。介護認定を受けている高齢者の方の、運動や身体のケアなどのサービスを行う仕事です。

人と接する仕事は好きだったのですが、その職場はとにかく人が足りなくてすごく忙しくて。休みがとりにくいのもあり、「ここでずっと働けるんだろうか」と疑問を感じていました。そんなときに、わざわざのことを知ったんです。

 

ーわざわざを知ったきっかけは何だったんでしょうか。

Facebookを見ていたら、わざわざの投稿が偶然流れてきたのが始まりでした。その投稿にはわざわざの周りにある山の写真が載っていたのですが、それがものすごく綺麗で。「景色がいいところだな。長野には行ったことがないけどいつか行ってみたいな」と思ったのが第一印象でした。

それをきっかけにオンラインストアを利用するようになり、SNSでの投稿や『わざわざの働きかた』を読んで、おもしろい働き方をする会社だなと興味を持つようになりました。特に「働くときは働いて、休むときは休む」という、オンオフの切り替えがある働き方は素敵だなと思いましたね

今の仕事に疑問があったのと、大阪とは別の場所に住んでみたかった気持ちもあって、もし住むなら景色に感動した長野がいいなと想像するようになりました。また、それならわざわざで働きたいなって。わざわざが求人をしていることを知ってから1年くらい悩んだのですが、「人生一度きりだし、チャレンジしてみよう」と思い、1日仕事体験を受けることにしました。

 

ー仕事体験では、どんな印象を持ちましたか?

その日は営業日ではなかったので、倉庫で靴下の梱包や検品を行ったんです。正直なところ、最初はすごく地味な仕事だなと思いました。でもそのとき教えてくれたスタッフさんが、信念を持ってきっちり仕事をする人だったんです。表には見えない仕事だけど、こんなところまでちゃんと気を配っているんだなと、とてもいい印象を受けました。そのとき「ああ、ここなら働けそうだな」と、ふと思ったのを覚えています。

意外とクールなわざわざの人たち

ーそこから入社に至るわけですが、前とは違う仕事内容に戸惑ったりはしなかったですか?

そうなんです。私はこれまでほぼ接客販売の仕事をしたことがなかったので、実は最初は倉庫と発送業務を担う「おとどけ部」を希望していました。でもなぜか「おみせ部」に配属になって(笑)。経験がなく不安でしたが、実際働いてみたらスタッフの皆さんがすごく良くしてくれて、わからないことを丁寧に教えてくれました。周りの人がみんないい人だったので、その後も辛いとはまったく感じず、楽しく働けましたね。

 

ーお話を聞いていると、岡田さんはわざわざで働く人と相性が良いのかもしれないですね。わざわざで働く人には、どんな性格や雰囲気の方が多いですか?

わざわざって、扱っている商品なんかを見ると、「ふんわりほっこりした、優しい世界」って感じがすると思うんです。確かに中の人もみんな優しいんですけど、意外とクールなんですよね。仕事に必要なコミュニケーションは丁寧にするけれど、不必要にベタベタしない。だからお互いにプライベートに踏み込むこともないし、グループを作ったり、悪口を言ったり、そういうネチネチしたところも全然ないんです。お互いに思いやりは持っているんだけど、依存せずに自立している人が多いって感じでしょうか。私自身、人と群れるのが得意な方ではないので、その距離感がちょうど良く感じました。

 

ー岡田さんにとってはいいギャップだったんですね。

はい。でも、人によっては冷たい印象を受けるかもしれません。和気藹々とはしているけれど、必要以上に仲良くする感じではないので。そういう意外とクールな人間関係を心地いいと感じる人や、公私を切り替えられる人は、わざわざに合うんじゃないかなと思います。

会社の変化スピードがめちゃくちゃ速い

ー他にも、想像と違ったことはありましたか?

入社前は、わざわざでは時間がゆっくり穏やかに流れているイメージだったんです。だけど実際は「あれっ? めちゃくちゃ速いぞ」っていう(笑)。1日が一瞬で終わるし、何より代表の平田の脳内スピードがものすごく速い。わざわざでは主にLINEを使って会社全体でやりとりをしているのですが、一つ問題が起きたらすぐに解決策を練って、それがどんどん反映されていく。だから会社全体の変化スピードが凄まじいんです。

 

ーそれもまたギャップですよね。岡田さんはそれに対してどう感じましたか?

私自身、ずっと同じだと飽きるタイプなので、必死についていきつつも楽しめていると思います。それに、みんなの仕事がオープンになっているのもいいなと思いましたね。みんなが何をしていて、会社がどこへ向かっているのかをちゃんと知れることは、安心感にも繋がっていると多います。

 

ー最初は「オンオフのある働き方」に興味を持ったそうですが、そちらはどうでした?

そこはイメージ通りでした。しっかり休みが取れるので、体力的にも気持ち的にも無理なく働けています。ただ、これはマイナスに感じる方もいるかもしれないのですが、最近は営業日が増えて全日稼働しているので、休みの日にもLINEで頻繁に連絡が来るんです。もちろん返信は休み明けで大丈夫なのですが、それがしんどいと思われる方もいらっしゃるかもしれないですね。自分で気持ちのオンオフの切り替えができる人の方が、無理なく働ける環境なのではないかと思います。

辞めたいと思わないのは「好き」がベースにあるから

ーここで少し突っ込んだ質問をしたいのですが、岡田さんはこれまでの5年で、わざわざを辞めたいと思ったことはあるのでしょうか?

うーん、それはないですね。正直「もうちょっと休んでたいなぁ」と思うことはあるけれど、「行きたくないな」って思ったり悩んだりしたことはありません。前職では毎日辞めたいって思っていたので、そこはすごく変わりましたね。

 

ーそれは大きな変化ですよね。辞めたいと思わなかったのは、岡田さんとわざわざのどの部分がマッチしたからなんでしょう。

以前の職場では、人間関係は特に問題なかったんですが、仕事内容自体に興味があまり持てなかったんです。この仕事を追求し続けていくのは難しいかもなって思っていました。

 

でもわざわざでは、ベースに「好き」があるんですよね。わざわざで扱っているものが好きだし、一緒に働く人も心地いいし、ここから見える景色も好き。どんな仕事でも苦手なことってあると思うのですが、「好き」がベースにあるから苦に思わないのかもしれないです。どんな仕事でも、好きなものや人や場所に関わっていたら楽しく続けられる。それはわざわざに入ってから実感したことですね。

ーもの、人、場所……働く上で大切なことですね。岡田さんは、わざわざで扱っている商品のどの部分が好きなのでしょうか。

長く使えるところや、作っている人の顔が見えるところですね。商品を買うことで、作り手の方にもお金が届く。わざわざではそんなふうに「消費が応援になる」という捉え方で買い物ができる。そんなところがすごくいいなと思います。

 

ー買う人、作る人、みんなにとって良い買い物ができる場所、という。

そうです。だから販売していても罪悪感がないんですよ。嘘をついたり心を痛めなくていい。自分が使ってよかったものを友達に勧めるように、素直に自分が「いい」と思うものを届けることができるのは嬉しいですね。

 

変化を楽しめる人にはおもしろい職場

ー岡田さんは、どんな人がわざわざに合うと思いますか?

さっきも言ったように、わざわざにはクールで自立している人が多いので、適度な距離感のある人間関係を寂しいと感じず、心地いいと感じる人でしょうか。

あとは言われたことをただこなすだけでなく、問題が起きたときに「こうすればいいんじゃないか」と自発的に考えられる人は合うと思います。わざわざでは、仕組み自体0から考えて「とりあえずやってみよう!」という感じなので、体制が整っている大企業で働いている方から見るとギャップがあるかもしれません。でも、そんな変化を楽しんだり成長につなげたりできる人にとっては、おもしろい職場だと思います

 

ーありがとうございます。最後に岡田さんから見た「わざわざ」は、どんな会社か教えてください。

わざわざは「関わる人みんなが健康で幸せに過ごせるように」という想いを持っています。その核は変わらないのですが、それ以外はどんどん変わっていっています。大事な部分は変えないまま、もっと良い方へとスピード感をもって変化している。そんな会社だと思いますね。

特に今は店舗も増えて、ものすごく変化しているときです。早くいい人が増えて、スタッフのみんながもっと休みを取りやすくなったり、お店を良くすることにもっと時間を使えるようになるといいなと思います。

土門蘭

文筆家。1985年広島県生まれ、京都在住。小説・短歌などの文芸作品や、インタビュー記事の執筆を行う。著書に『100年後あなたもわたしもいない日に』(寺田マユミ氏との共著)、『経営者の孤独。』、『戦争と五人の女』、『そもそも交換日記』(桜林直子氏との共著)がある。2023年4月には、2年間の自身のカウンセリングの記録を綴ったエッセイ『死ぬまで生きる日記』を上梓。同作品で第一回「生きる本大賞」受賞。

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