業務用食器が好きだ。
わざわざでは長年シンプルな業務用食器を中心に販売してきました。ここで扱うものは「一番これがよくて、これしか使いたくない」というような引力のある器ではないかもしれません。けれど、日々の食卓で気兼ねなく使え、扱いにもホッとする。この普通さが落ち着く。そんな雰囲気をもった業務用食器がとても素敵だと思っています。
いわゆる業務用の「無骨・堅牢・粗野・丈夫」といったイメージに、「純白・透明・素朴・質素」などの言葉を合わせたい。物としての耐久性がありながらも佇まいはシンプルで、その中に美しさを見出すことができる。デザインというデザインよりも、こう使いたいからこういう形になったという、削ぎ落とされた美しさが業務用食器にはあると思う。
作家の器ももちろん好きだけど、そればかり集めてしまうことはあまりない。「物」の観点から見て、全方向から良いものを見つけていきたい。例えば、業務用食器に工芸のグラスを合わせてみたり。敢えて外してみると、肩の力が抜けてくる。異なる文化をミックスすることで、視点が際立つ物選びをしたいと思い続けてきた。
器の趣味は年々変わっていきます。だけど相変わらず好きだなぁと思わせてくれるこの形、この使い勝手の良さ。だから業務用食器が好きなんだ。
わざわざの姉妹店「問tou」の喫茶コーナーで使う器は、業務用食器で固めてみました。脇役として作家物も併用しながら、あくまで主役は業務用に。ギャラリー&喫茶で敢えての業務用が映えてとても気に入っています。
例えば、こんな器。
旅行で行ったスペインのバルで見かけてから、どうしても欲しくなって血眼で探し続けたぽってりとした白い器。イタリアの業務用皿サタルニアです。わざわざの賄いでも使いまくったこちらの皿は、家族の人数+1,2枚で揃えておくと来客時にも対応できておすすめです。何にでも合うので本当に重宝していて、使わない日がないほど。
業務用とあってやはり強度はあります。使い始めて14年、一度も割ったことがありません。使い方にもよるとは思いますが、チップも出てなくて驚きます。
そしてこちらはスペインの業務用食器メーカー、ポルバサルの器。グリーンの細いラインが活かしてる。ホテルで出てくるような白磁で薄造りの食器もいいですが、サクッと入ったバルやレストランで気軽に出てくるこっちの方が好みです。カウンターに積み上げたい!
作家の器も好きなんだ。
ふたつとない色、形、表情。作家たちの器には華があります。食卓の雰囲気を一気に変えて、食事がなお一層楽しくなるような器。長く使って頂くほど、どんどん育っていく楽しみも味わえますね。
作品が好きで取り扱い始めたのはもちろんのこと、作家と会って話すたびその人柄を好きになります。だからこそ、ひとつずつ丁寧に作られた作品を扱うことに対して、常に真剣に向き合います。厚みや丸み、重さ、風合いなど、様々な基準をもとに、お皿・茶碗・カップから、花器や土鍋まで生活を美しく演出する作品を選びます。
作品は入荷量が少なく、一期一会です。一点ものが多く、再入荷の可能性も極めて低いです。また、ここに掲載されていない作品を実店舗に少量入荷することもあります。ぜひ長野にいらしてください。愛着とぬくもりを感じる手触りを生活に取り入れて頂けたら嬉しいです。